Appleは出版業界を再発明できるのか

音楽業界はiPod+iTunesStoreの人気に呑まれ、Appleに屈しました。

iPhone登場後、携帯キャリアはキャリア主導ビジネスからの変革を求められました。下手をすると土管になりかねません。

ウェブからはFLASHを追放しようとしています。

iPadによりタブレット端末を再定義。ネットブックを過去のものへを追いやりました。いまやネットブックの話をする人などいません。業界はタブレット端末へと一気に流れが変わりました。

アップルがひとたび動けば、他業界までもが変革を求められます。その波はいよいよ出版業界へ−−−


とまぁ、仰々しく書き出しを作ってみましたが、注目すべきはこれらの出来事は2000年に入ってから10年も満たない短い期間に起こった出来事ばかりなんですよね。業界のスピードが半端じゃないことを如実に表していると思います。

さて、本題ですが、先日Appleがアプリ内定期購読サービスを発表しました。

まずはそのニュース記事など。

Apple、新コンテンツ講読モデルを発表―App Store外への購入リンクは禁止 – TechCrunch

”アプリ内定期購読サービス”の要点は次の通りです。

・Appleを通じての新規購読者が追加された場合はApple税30%を払う事。
・AppStoreでのコンテンツ購入は必須とすること。
・ 自社サイトでの購入も許可する(Apple税無し)が、この場合AppStoreより有利な価格設定にしてはならない
・アプリから自社サイトへ直接購入するリンクを設置してはならない。
・個人情報の提供可否はユーザが許可した場合のみ、アップルから提供される。

この購読モデルを適用するとどうなるかというと、代表的な例としてはAmazonのKindleアプリがやばくなるってことでしょうか。
なんだか完全に理解するのが難しいんですが、定期購読料にApple税がかかるって酷いですね・・・。

おそらく狙っての事でしょうが、Appleより良い条件で課金サービスを発表してきたのはGoogle。真っ向から対決するようです。

グーグル、出版向け課金サービス「One Pass」を発表–アップルの定期購読サービスに対抗 – CNET Japan

Googleのほうが条件が良いんですが、パブリッシャーとしてはすでに成功を収めつつある魅力的なiPadというプラットフォームでビジネスを開始したいという思いもあるでしょうから、複雑なところでしょう。
しかもAppleが有利なのは、このGoogleの存在にあったりします。反トラスト法違反になるには市場を独占していないといけませんが、Androidという強力なライバルがいる以上、AppStoreの規約は独占にもあたらないと思われます。

今回の発表、実は出版だけには止まりません。
電子書籍、音楽、映画など、コンテンツをアプリで提供しているもの全てに対して適用されるらしく、各業界からすでに非難の声が上がっているようです。

ただ、既存のコンテンツ事業者からは苦情がいっぱいでしょうが、これからビジネスを起こそうと考えている人たちにとっては、Appleが課金サービスを整備してくれたおかげで参入しやすくなるでしょう。また、利用者からすれば、iTunesのIDとクレジット決済で一本化されたほうが圧倒的に便利です。

これからどうなっていくか、楽しみです。一つだけ気になる事は、日本だけ蚊帳の外にだけはなって欲しくないです。米国でここまで反響があるわけですから、日本だとどうなることやら・・・。

電子書籍化は本当に良いことなのか?

普段、twitterでは出版社の電子書籍ビジネスへの参入について、批判的なことを言っては、「とっとと電子書籍化しろ」とか、「本は場所を取るから買いたくない。電子書籍なら買う」などとつぶやいている私ですが、本当に電子書籍がいいかどうか悩ましい出来事がありましたのでブログに書いてみます。

私は毎月雑誌のMacFanを購読しているのですが、2月号からマガストアで売っている電子書籍版に乗り換えました。これでiPadでいつでも読める!と購入直後はデジタル化に喜んだものですが、3月号も発売して半月ほど経った本日、ふと、2月号をほとんど読んでいないし、3月号も購入していないことに気付きました。

場所を取らない便利な電子書籍で出版は良くなる、と思っていたのですが、なぜ私は2月号を読んでいないのか?を考えてみると、デジタル化の弊害に気付きました。

印刷物の場合、読んだMacFanは読み終わった分を棚に片付けるまでは毎日視界に入るコタツの上にずっと置いています。なので、未読であることを忘れないので、読まないといけないな、と思い出し、今まではちゃんと読んでました。ところが、デジタル化してiPadに入れていると、読んでいないことに気付かないんですね。日々忙しい生活を送っているとあっという間に一ヶ月が過ぎてしまい、月刊誌を読んでいないことを忘れてしまうようです。

あれ?これって電子書籍化の弊害なんではないか?と思ってしまったわけです。だって、今まで毎月購入していた私がこうなってしまったということは、出版社側からすると当然、電子化したことで一人読者を失ったわけですからね。

うーん、 まぁ、身の回りでは雑誌だけなので結論を出したわけではなく、あくまで事例の一つとして紹介してみました。

新聞や雑誌はタブレット端末で復活できるのか?

本日(日本時間午前1時)、米国で以前から噂されていた電子新聞「THE DAILY」が発表されました。

このTHE DAILYというアプリ、昨年末くらいからアップル系ニュースサイトなどではかなりの目玉アプリとして取り上げられていましたし、今回の発表会もアップル幹部が出席するほどですから、鳴り物入りで登場したように思えます。

にも関わらず、ざっと発表内容のニュース記事を見てもワクワクするものがありません。
実際に触ってみると多少は違うのかもしれませんが、記事だけではピンと来ないですね。

そもそも、電子新聞や電子雑誌に未来はあるのでしょうか?

確かに、タブレット端末で見る事を意識して写真や動画を盛り込んだり、FacebookやTwitterと連携したりといかにもな機能てんこ盛りに見えますが、ウェブサイトだけでも十分実現可能なように思います。

ネット上でニュースは無料で手に入る時代に、電子新聞や電子雑誌は私たちのライフスタイルを変えるようなコンテンツとは思えません。

ただ、病気療養がなければスティーブ・ジョブズがイベントに出席する予定だったとも言われていますし、もしかするとまだ見ぬiOS4.3以降かiPad2で化けるような仕掛けがあるのかもしれません。
確かに価格に関しては魅力的ですね。毎日更新されて週99セント、年間でも39.99ドルなんでかなり安いです。
日本だと例えば、日本経済新聞がウェブで有料サービスを始めているようですが月額で4,000円ですからね。金持ち専用新聞としか思えません。

まぁ、ファーストインプレッションなんで、日本でも同様のサービスが開始されたら触ってみたいとは思いました。

- – -
ちなみに同じ日にGoogleがAndroid3.0関連の発表を行っています。むしろこっちのほうがニュースかも。

グーグル、ウェブベース「Android Market」発表–ブラウザからのアプリ購入が可能に – CNET Japan
フォトレポート:グーグル、「Android」イベントを開催–Honeycombをデモ – CNET Japan

これは便利そうですよね。AppleのようにiTunesに縛られていないことが逆に武器になりつつあります。早くiTunesをクラウドに移行しないと。やってることはやっぱりAppleの後追いなんですが、このまま抜かれてしまいそうな勢いですね。

GoogleのAndroid Honeycombイベントの会場からの実況記事 – TechCrunch

なかなか出来がいいように思えます。Androidスマートフォンは触るとがっかりなスマフォばかりなんで欲しいと思いませんが、タブレットはちょっと勉強兼ねて欲しいんですよね。OSは出来てきてますし、あとは魅力的なハードを作るメーカーに期待したいです。

フォロー

Get every new post delivered to your Inbox.